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出生児の低体重にも関係あり?世界で問題になっている有機フッ素化合物「PFAS(ピーファス)」への自衛策とは

水は私たち人間にとって、生きていく上でなくてはならないライフライン。

現代では蛇口を撚れば飲料水がすぐ出てくる環境となっていますが、実はその水道水をはじめとする生活圏の水には危険な面があり、その1つがPFAS(ピーファス)と呼ばれる人工化学物質群が原因であることをご存知でしょうか。

 

生活圏の水に潜む危険「PFAS(ピーファス)」とは

PFAS(ピーファス)は、PFOS(ピーフォス)・PFOA(ピーフォア)・PFHxS(ピーエフヘクスエス)・GenX(ジェンエックス)など多くの化学物質を含む有機フッ素化合物。

正式名称は「ペルフルオロアルキル物質およびポリフルオロアルキル化合物」と呼ばれ、がんの発症や胎児への発達異常を引き起こすおそれがあるとされている物質。

PFASには油・水等をはじく性質があり、熱や薬品・紫外線にも強く、身近なところだとフライパンや業務用の洗剤などにも使用されてきました。

しかし、このPFASが体へ有害な影響を与えること、そして生物への蓄積性が懸念され大きな問題となっているのです。

岡山県の吉備中央町では、国の暫定目標値である50ナノグラムのおよそ28倍にものぼる1400ナノグラムものPFASが検出され、ニュース等で広く報じられました。

この問題発覚後、吉備中央町では住民の有志による血液検査を実施。

なんと30代〜40代の女性5名の中で、3人が流産を経験。中でも43歳の女性は、東京から吉備中央町に移住してから3回の流産を経験しているそう。

PFASの血中濃度の高さと流産のリスクの関連は現状分からないと言われているものの、海外では関連があると結論付ける論文が複数発表されており、厚生労働省の評価書でも「2021年3月31日までに公表された23編の文献についてメタ解析を行ったところ、PFOAばく露と流産リスクに関連がみられた」と発表しています。

参考:chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://www.mhlw.go.jp/content/10901000/001213120.pdf

また、6月末に内閣府の食品安全委員会が国として初めて、健康への影響に関する評価を「赤ちゃんが生まれたときの体重の低下や、ワクチン摂取後の抗体低下への影響は否定できない」と公表しました。

日本政府は実態把握に動いており、都道府県や小規模事業者を含めた全国の水道業者に水質調査を依頼。

2024年9月末までに約1万2千ヶ所の水道でPFASの調査を実施。また、農林水産省では食品にPFASが含まれているかの実態調査も行っています。

参考:chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://www.maff.go.jp/j/study/risk_kanri/r5/attach/pdf/index-3.pdf

 

消費者のPFASに対する意識は「水道水は安全」が半数以上

京都に本社を構えるウォーターハブブランド「WACOMS(ワコムス)」を展開する株式会社フォレストホームサービスがPFASに対する消費者の認知・理解についての調査を実施。

まず「あなたは日本の水道水は安全であると思いますか?」という質問に対し、91.6%と実に9割以上の方が「思う」「やや思う」と回答しました。

続いて「あなたは健康リスクのある“有機フッ素化合物(PFAS)”が水の中に含まれることを知っていますか?」という質問に、76.3%と3/4以上の方が「知らない」と回答。

そして「あなたは現在“有機フッ素化合物(PFAS)”への対策としてどのようなことを行っているか教えてください。」という質問に対して、実に半数以上となる62.1%が「対策していない」と答えています。

この結果から過半数の方が、PFASとはどのようなものかを知らず、そして水道水の中にも含まれている物質であるということが知られていないことが明らかとなりました。

 

今すぐ出来る「PFAS」に対する自衛方法とは

PFASは水道水にも含まれているもの。そして体内からは自然に排出されず「永遠の化学物質」とも呼ばれている存在であることも知っておかなければなりません。

そんなPFAS対策のためには、まず自分の在住エリアをチェックするところからはじめ、自治体のホームページもしくは窓口に問い合わせてPFASの数値を知りましょう。

各自治体はそれぞれPFASについて、住所から水質調査結果が確認出来るリンクなどが掲示されています。

「どうしても気になる」「対策したい」という方は、ウォーターサーバーを導入して水道水を摂取することを控えることも1つの手段と言えるでしょう。

また、上述した調査を行っているWACOMSはPFASの代表的な化学物質であるPFOS・PFOAを98%除去可能と第三者機関の試験で実証された浄水器を展開しています。こういった浄水器を活用することも現実的な手法です。

 

私たちが生きていくために必要不可欠な水。

しかし、健康的な生活のためには、生きていく上で欠かせない水との付き合い方を考える時代となってきたのかもしれません。

自分自身やパートナー・家族をPFASから守りたいという方は、一度自分が住んでいる地域のPFASに関する水質調査結果を調べてみてはいかがでしょうか。

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