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「裁断くず」が毎月”何トン”にもなるって知ってた?端切れが出る原因とゴミを出さないサステナブルな取り組み

私たちが生きていく上で必ず必要なものの1つが”服”です。一時期問題となった、飲食業界での「フードロス」と呼ばれる売れ残りや期限切れ食品の廃棄問題。実はアパレル業界でも、この廃棄問題は深刻なものということをご存知でしょうか。

フードロスならぬ”衣料ロス”とも言えるこの問題は、アパレル業界に関わる全ての人・企業が取り組まなければならない問題と言えます。

その中でも特に問題となっているものが、新しい洋服を作る際に出てしまう「裁断くず」と呼ばれるゴミなのです。

洋服作りとは切り離せない裁断くず

洋服とは元々は1枚の生地であり、その生地を裁断して縫い上げて完成します。その過程において、どうしても余ってしまう部分が「裁断くず」になります。

この「裁断くず」は1着の洋服を作る上では本当に少量の”くず”程度なのですが、それを100着・1,000着と生産していった場合、膨大な量になってしまうのです。

出来る限り裁断くずを出さないように生地をカットしたとしても、例えば生地1000mのうち、約300mはどうしてもこの裁断くずになってしまうのだとか。

例えば、1着の洋服を作るためには、型に合わせた裁断が不可欠となります。四角い生地から必要な型抜きを行うと、もうどこにも使うことが出来ない”端切れ”が出てしまい、これが裁断くずとなるのです。

近年は環境問題への意識が高まり、サステナブルな活動が注目を集め、企業から個人まで、様々な活動が開始されました。

そのサステナブル活動の一環でリサイクル製品や再利用などをしたものが世の中に浸透してきましたが、リサイクルするために、逆に環境への負荷があったり、100%リサイクルされた商品はそう多くはないのです。

また、この裁断くずは文字通り「くず」であるため、再利用が難しくサイクルを作ることさえ簡単なことではないのです。そもそも「何にも利用出来ない」として破棄されていたものが裁断くずですから、このことは容易に想像がつきますよね。

そして、商品の廃棄も深刻です。実は商品の定価販売における平均消化率は40%程と言われており、残りは廃棄されてしまうのが今までの流れでした。

裁断くずや売れ残り製品を廃棄するのにもコストが掛かってしまい、リサイクルをするとなるとそれよりも膨大なコストが発生してしまう、というのも問題となっていました。

 

サステナブルな完全循環型プロジェクト「UpcycleLino(アップサイクルリノ)」始動

そんな裁断くずをどうにか再利用出来ないかと試行錯誤をしていた自然素材ブランドの「nest Robe(ネストローブ) / CONFECT(コンフェクト)」は、サステナブルな完全循環型プロジェクトとして「UpcycleLino(アップサイクルリノ)」プロジェクトを立ち上げました。

これは洋服を作る上で絶対に出てしまう裁断くずを粉砕し、綿(わた)に戻し、その綿で「糸」を作り、その糸で再び生地を作り、その生地から製品を作る、というゴミの出ない完全循環型のプロジェクト。

 

裁断くずを細かくして綿の状態にし、オーガニックのバージン綿と一緒に紡いで糸を作成。そして撚糸に織り込む試みです。

普通に糸を作るより手間もコストもかかりますが、環境問題に取り組む意義はあると考えていると語っています。

 

裁断くずは細かく粉砕して原綿の状態にし、オーガニックのバージン綿と一緒に紡いで再び糸に。節が出てしまうために織りづらく、生地の面が均一に美しくはならないものの、柔らかな手触りで味のある風合いとなるそう。

同じ糸を編み立てて、メリヤス生地も作っています。元は糸からこだわって作った上質な生地だからこそ、リサイクルとはいえ、とても上質なものが出来たとのこと。

自社の商品の裁断くずをまた原料とし、 商品を作り、自社で売る。おそらく、ここまで自社で完全に循環しているのは、「ネストローブ/コンフェクト」だけだと自負していると語っています。

このネストローブ/コンフェクトが始めているサステナブルなアップサイクルプロジェクトは、全ての企業が見習うべきことが詰まっているのかもしれません。

 

今世界中のあらゆる企業で取り組みが行われているサステナブル活動。特に日本ではアパレル業界が取り組みを進めており、既に大手企業では製品の素材をサステナブル素材に変更したり、ロスを抑えるような取り組みが進められています。

それでも、まだ元々膨大な衣料ロスが低減した程度と言えます。

一部の企業だけが行なっているだけでは中々現状は変えられませんが、そもそも「予算がない」「取り組みを出来るだけの余裕がない」という企業が殆どと言える現状。

こういった中で消費者に出来ることは、「サステナブルな製品を販売していたり、取り組みを行なっている企業の製品を購入する」ということ。

サステナブルな社会を、そしてアパレル業界のロスを減らすということには、消費者1人1人の行動にも掛かっているのかもしれません。

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