「とてつもなく速い計算が出来るコンピュータ」として、なんと秒間で1京回以上の計算が出来る性能を誇り、科学技術の進歩などに大きな貢献をしている「スーパーコンピュータ」
パソコンと同じように「スパコン」という略称で呼ばれ、日本の科学技術をはじめ多くの分野で貢献してきたスパコン「京(けい)」の後継機として2021年3月から共用がスタートした「富岳(ふがく)」を用いた研究発表を行う成果創出加速プログラムにおいて出た成果を発表する、一般向けシンポジウム「富岳百景」が、3月29日にオンラインで開催しました。
「富岳」成果創出加速プログラムの成果などを発表するオンラインシンポジウム「富岳百景」開催
スーパーコンピュータ「富岳」とは
「富岳(ふがく)」は、国産スーパーコンピュータ「京(けい)」の後継機として、理化学研究所と富士通が共同で開発・整備したスーパーコンピュータ。
社会的・科学的課題の解決で日本の成長に貢献し、世界をリードする成果を生み出すことを目的とし、電力性能・計算性能・ユーザーの利便性・使い勝手の良さ・画期的な成果創出・ビッグデータやAIの加速機能の総合力において、世界最高レベルのスーパーコンピュータとなっています。
15万8976個の中央演算装置(CPU)を搭載し、1秒間に約44京2010兆回の計算が可能となっています。2011年時点での世界最高峰のスパコンの計算速度は1秒間で約1京回ということだったので、現在の技術がどれくらい進歩しているかが分かります。
分かりやすい例えで、1京回の計算をするのに、世界中の人口70億人が1秒1個の計算をしたとすると、約17日間掛かってしまうのだとか。これだけでも凄まじい計算速度と言えますが、富岳は京の約44倍の計算速度を、アプリケーション実効性能は最大100倍を誇るため、技術の凄まじい進歩が伺えます。
2020年6月と11月、2021年6月と11月に世界のスパコンランキング「TOP500」「HPCG」「HPL-AI」「Graph500」で4期連続の世界1位を獲得しています。
オンラインシンポジウム「富岳百景」開催
スーパーコンピュータ「富岳」成果創出加速プログラムは、「富岳」を用いた成果を早期に創出することを目的として文部科学省が実施しているプログラム。
・人類の普遍的課題への挑戦と未来開拓
・国民の生命・財産を守る取組の強化
・産業競争力の強化
・研究基盤
上記4領域について課題の選定が行われ、その成果が2022年3月29日に文部科学省と高度情報科学技術研究機構(RIST)が開催したオンラインシンポジウム「富岳百景」にて、成果発表などを行いました。
シンポジウム当日は、「防災・減災」「ライフ」「材料」「ものづくり」「宇宙・素粒子」の5つのカテゴリーで、「富岳」を用いて生み出された課題成果等を発表したほか、はじめての方にも分かりやすい講演等を行いました。
今回実施された課題については、成果創出加速プログラムの紹介ページにてご確認ください。
https://fugaku100kei.jp/fugaku/promoting_research.html#r1-03
富岳はフィジカル空間(現実空間)とサイバー空間(仮想空間)を高度に融合させた社会「Society 5.0」の実現のため、一般利用や産業利用のために富岳のリソースを割り振り、共用を行っています。
私たちのよりより生活や進んだ社会実現に、スーパーコンピュータ「富岳」は、今も貢献してくれています。
どういったことに使われているのか、そしてどんな課題が実施されているのか気になる方は、「富岳」成果創出加速プログラムの特設ページなどで確認してみてはいかがでしょうか。
特設ページ:https://fugaku100kei.jp/