2020年頃から急激に増加したテレワークや在宅ワークという働き方。
場所に捉われずいつでもどこでも通信環境さえ整っていれば仕事ができるという事を日本国民の多くが知った事だと思います。
そのテレワークの更に一歩先とも言える新しい取り組み「ワーケーション」が現在大きく注目されています。
テレワークは通勤・移動などの苦痛から解放される反面、社内のコミュニケーションが取りにくく仕事効率に疑問を持ったり、一人の時間が増える中でのメンタルへの負担なども課題となっています。
しかし、ワーケーションは一般的なテレワークと異なり「Work(ワーク)」と「Vacation(バケーション)」の造語からくる意味である通り、仕事の効率化と心身のリフレッシュを共存させるまさに新しい働き方改革と言えます。
ONSEN WORKを体験
今回編集部で参加したのはビッグローブ株式会社が提供する企業と温泉宿をワーケーションでつなぐ「ONSEN WORK」のプログラム。
二泊三日で心身ともに健康となる事を目標に静岡県は伊豆にある熱川温泉へ向かいました。
広大な海の景色を独り占めできる景色に、あちらこちらで昇る温泉の煙が期待を大きく膨らませました。
宿泊した宿は屋上天空露天風呂や足湯スカイテラスなど、家族連れでも楽しめる施設がたくさん詰まった熱川プリンスホテルへ。
部屋に通されると広い室内と客室露天風呂が迎えてくれました。
こんな部屋に篭って仕事が出来るならば全く苦じゃないな〜と感じつつ、早速まずは露天風呂に入ってリラックスします。
事前ヘルスチェック
「ONSEN WORK」ではまず、ワーケーションを通して心身がどのように変化し、良い効果があるかという事を実証するためにヘルスチェックを行い、現在の心身の健康状況や症状(VAS)、メンタルヘルス(POMS)、自律神経のバランス、血管の健康度などを可視化していきます。
身体が硬いのが非常に恥ずかしいですが、その他の結果はそれなりに良好で一安心。
この事前チェックの結果が最終日にどのように変化していくのかが楽しみです。
フロフェッサーによる入浴プログラム解説
温泉・入浴がいかに健康に良い影響を与えるのかという疑問を日本健康開発財団の”フロ”フェッサーこと、後藤康彰 医学博士が懇切丁寧に解説してくれました。
温泉・入浴は免疫力の向上に繋がり、心のリラックスはもちろんストレスの軽減にも効果があるとの事。また、長寿大国日本の「長寿の秘密」には入浴が大きな役割を果たしているといった研究もされているそう。心身ともにメリットがたくさんある温泉はワーケーションにぴったりな場所と言えそうです。
個人的にも旅行に行くのは温泉地を選ぶ事が多く、心身ともに非常にリフレッシュする事は感覚として分かっていました。ですが、学術的な見地から説明を受けると効能についての理解が深まり、温泉地がワーケーションの対象として選ばれる事が肯ける内容でした。
夜は足湯と地ビールでリラックスタイム
今回宿泊した熱川プリンスホテルには「足湯スカイテラス」が有り、ゆったり足湯に浸かり夜空を見ながら地ビールを頂きゆっくりとした時間を過ごしました。ワーケーションは仕事だけでなく、バケーションの側面も無ければダメですから目一杯心地の良い時間を過ごす事も大事です。
仕事と休息、両方のバランスを取る。これが現代の”新しいライフスタイル”なのかもしれません。
※屋上天空露天風呂
「ONSEN WORK」 各種プログラムの紹介
「ONSEN WORK」では単に温泉地で仕事をする事が目的ではなく、ワーケーションを通して心身を健康にする事、更に普段触れる事があまり無いカルチャーを体験する各種プログラムが用意されています。
今回、当編集部で体験した各種プログラムをいくつかご紹介したいと思います。
フードプログラム
東京港区白金台にある八芳園が提供する「おいしいランチを食べながら、食を通してSDGsや健康を学ぶ」まったく新しい研修プログラムです。
メニューや食について様々な問題・課題を学び、知識をキチンと深めた上で実食するといったプログラムとなっており、フードロス・環境問題・SDGsなど食を通じて一人一人が向き合う事ができる内容となっています。
八芳園が取り組んでいる食を通じたSDGsの事例を紹介する動画を見た後に、実際にランチBOXを頂きました。
厳選した食材を使用し、美味しく、健康に配慮されているだけでなく、安心・安全に配慮されており、用意されたランチBOXはそれぞれメニューが異なっています。
どれも見た目からこだわりが伝わり、もちろん味も大満足のランチBOXでした。
アートフラワープログラム
次に体験したのがドライフラワーを使用してアートフラワーを作るプログラム。私も含め男性の参加者の方は複数おりましたが、皆さん初めての経験の様子。
実際にアートフラワーの先生にコツを教わり、指導を受けながら作っていきますが、これが中々難しい…。
しかし悪戦苦闘しながらもなんとか完成させると達成感が有り、作る工程も含め物凄く楽しめました。
こちらが私の作ったアートフラワー第一号。
「初めてにしては綺麗に出来てますよ!」と言って頂けて、お世辞と分かりつつも写真まで撮らせて頂きました。
普段なら経験する事の無い経験ができるプログラムは私にとっては新鮮でとても楽しく、良い取り組みだな〜と感じます。
PARTY体操
自宅待機やテレワークといった急激な生活の変化が原因で、企業に勤める従業員の運動不足やメンタルの不調が問題になっています。
そんな多くの企業の従業員の健康を守る為に、新潟大学と産学連携で開発されたのが今回私が体験したプログラムである「PARTY体操」です。
PARTY体操(知識編)
PARTY体操(実技編)
PARTY体操は以下の特徴があります。
1:運動のプロフェッショナルが監修した、運動効果の裏付けがある体操
2 :専用のタオルを使う体操
3 :プロの音楽家が、ポジティブな楽曲「PARTY」を提供
ポップで心地の良いメロディーに合わせ、専用タオルを使って行うこのPARTY体操。ラジオ体操より長い曲に合わせ、且つ動きも全身をくまなく動かす体操なので思った以上にハードで終わった後は汗が吹き出る程!
しかし音楽に合わせて行う体操なので楽しく汗を流しながら行う事が出来ます。
PARTY体操で使用した専用タオルはプログラム終了後に頂けるので、自宅に帰った後もまた行う事が出来ます。
専用タオルを使うことによって全身の筋肉に与える負荷が、運動不足解消にとても効果的であるという実証実験もあるそうです。
ONSEN WORKを終えてみて
今回プログラムをいくつか抜粋して紹介しましたが、2泊3日の間に数々のプログラムを通してONSEN WORKを体験してきました。
ONSEN WORKではただ「温泉地で仕事をする」という事以上の体験をする事が出来ます。例えるならば、まるで大人の”修学旅行”のような。
ONSEN WORKには、一つ一つのプログラムにとても大きなこだわりを感じます。
例えばPARTY体操で使用する専用タオルひとつとっても、製法・素材・カタチ全てがこだわりの塊です。一つのプログラムを完成させる為に、多くの時間と試行錯誤をして、そこに辿り着いている事が伝わってきました。
ここでは紹介しきれない程たくさんのこだわりが詰まったこのプログラムを是非多くの人に体験して欲しいなと思います。
また、個人的にはこれだけのプログラムを体験できた事がとても有意義で実りある時間でした。
インターネットの検索機能やSNSの普及で情報を探す上ではとても便利な世の中になりましたが、それと同時に「自分の興味・関心」がある情報”のみ”を知らず知らずのうちに享受する事が当たり前になっていると感じます。更にそういった特徴は、これから先の時代を創っていくミレニアム世代やZ世代では特に顕著だと思います。
時に人生において、普段自身の生活の中で触れないカルチャーや多くの取り組みを知り、学び、実践する事は自分の人生における視野の広がり、思いも寄らない新しい価値観との出会いになるのではないでしょうか。
事後ヘルスチェック
2泊3日最終日に行ったヘルスチェックの結果はこちら。
特筆すべきなのは血管年齢が実年齢より2歳若くなっていることや、自律神経のバランスはとても良好といわれるど真ん中に位置しています。
実感としても入浴・運動・学びを通して楽しく過ごせたのは間違い無いので、この健康状態の数値は納得のいくものです。ちなみに身体の硬さは慢性的過ぎて全然変化が無かったのですが…。教わったストレッチ頑張ります。
また、私以外の参加者の方々も皆さん事前ヘルスチェックより良い数値となっているようで、このONSEN WORKで過ごす時間には心身を健康にする効果があるのでしょう。
まだまだ、世間的な認知もこれからというワーケーションという新しい取り組み。導入を検討している企業の皆さんはぜひ一度体験してみる事をお勧めします。
きっと全てのプログラムが終わる頃には心身の変化と、確かな満足感を得る事が出来るでしょう。