日本国内の優れた鉄道旅行プラン・ツアーを審査し、その企画性や魅力を表彰する「鉄旅オブザイヤー」は、これまでも多くの鉄道ツアー商品を表彰し、その素晴らしさを発信してきました。
この度11回目の開催となった「鉄旅オブザイヤー2021」が、大宮の鉄道博物館にて4月20日に授賞式を開催し、旅行会社部門賞に選ばれた4つの鉄旅ツアーから選ばれたグランプリを発表しました。
鉄旅オブザイヤー2021授賞式開催
鉄旅オブザイヤーとは
「鉄旅 OF THE YEAR(以下、鉄旅オブザイヤー)」とは、企画性やオリジナリティにこだわって造成した国内の優れた鉄道旅行商品に対して表彰を行い、鉄道旅行ならではの魅力を発信していく取り組みのこと。
鉄道旅行、国内旅行のプロモーションおよび利用拡大に資することを目的とし、今年度で第11回を迎えるアワード。
その授賞式が、2022年4月20日、埼玉県大宮市にある鉄道博物館にて開催されました。
「鉄旅オブザイヤー2021」グランプリ発表
授賞式の開会の挨拶には、米田昭正鉄旅オブザイヤー実行委員長が登壇し、挨拶の言葉と共に
「旅行部門から83商品、一般応募から81商品と、昨年よりも相当(応募が)増えていると。このような情勢の中で応募頂いて、本当にありがとうございます。」
と感謝を告げていました。
今年は日本の鉄道事業が開業して150年という記念すべき年。その節目ともいうべき年において、栄えある「鉄旅オブザイヤー2021」のグランプリを獲得したのは、JTBが提供しているツアー商品「貸切列車 HOKKAIDO LOVE!ひとめぐり号で行く 秋の北海道4日間」でした。
このツアー商品は、JR北海道の最新の車両に乗って、札幌や釧路、トマムなどの各所を巡るだけでなく、「JALふるさとアンバサダー」「JALふるさと応援隊」が乗車してアナウンスなどで盛り上げたり、郷土色溢れるお弁当などを食べることが出来たりと、至れり尽くせりな4日間を楽しむことが出来るツアー。
この企画はJR北海道、JAL、そしてJTBの3社の「3つのJ」が共同で行なった企画で、さらには各自治体からも多大な支援をもらい完成した企画とのこと。
今回の受賞に対して、担当者の方は
「一社だけでは出来ない企画。
“3つのJ”が、
とコメントされました。
審査委員長の芦原伸「旅と鉄道」名誉編集長は、11回目となった今年の鉄旅オブザイヤー2021について、
「今年はまた力が入っていた企画ばかり。最近の旅は、景色を見るだけの楽しみから、旅情や地元の人たちとの触れ合いや郷土の食など、いろいろな魅力が合わさって醸成される。
以前は奇抜なものやダイナミックなものが多かったものが、逆にしっとりと素朴でおだやかだけど充実した内容という、大人の時間を感じました。」
とコメント。最後にグランプリとなった「貸切列車 HOKKAIDO LOVE!ひとめぐり号で行く 秋の北海道4日間」を祝福して授賞式は閉幕となりました。
その他受賞ツアー
他にも、旅行会社が企画し、2020年11月~2020年12月までに開催実施されたツアーのほか、一般公募から応募された「こんな鉄道旅行があったらいいな」というツアーを公募した「夢の鉄道旅行企画」から優れた作品が表彰されました。
他の受賞ツアーは以下の通り。
●パーソナル部門賞(個人旅行):近畿日本ツーリスト「『伊予灘ものがたり(道後編)』に乗る5つの列車で四国一周の旅」
●DC部門賞:JR東日本びゅうツーリズム&セールス・JR東日本盛岡支社「釜石線・三陸鉄道直通釜石線・三陸鉄道直通 『銀河リアス号』で行く”里と海のイイトコ取り”ツアー」
●鉄っちゃん部門賞:日本旅行「271系新型ハローキティはるかで行く車両基地入線日帰りの旅」
●国土交通省 鉄道局長賞:JTB「通って深まる旅の旅情、何度も通って地元の人々と心通わせる新しいスタイルの旅 いわて 三陸鉄道 通い旅」
●審査員特別賞:南海国際旅行「南海・鉄たびシリーズ 第35回 紀州路ローカル線 鉄道遺産めぐりの旅」
●ベストアマチュア賞:JTB トラベル&ホテルカレッジ(卒)渡邊瑞貴さん「『江戸時代にタイムスリップ!』東海道新幹線で行く~東海道五十三次 聖地巡礼の旅~」
昨今の情勢により、旅をすることが中々難しい世の中となっていましたが、ようやく自粛期間も明け、こういった旅も出来るようになってきました。
鉄道に揺られながら、まだ行ったことがない地域や、魅力的な都市に出向いたり、美しい景色やその土地の温かい空気に触れる。
そんな体験が出来る鉄道の旅を味わいたいという方は、ぜひ鉄旅オブザイヤーで表彰されたような旅行ツアーに参加してみてはいかがでしょうか。