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3人に1人が奨学金で夢を諦めている?アディーレ未来創造基金が「奨学金返済支援プロジェクト」を発足

弁護士法人アディーレ法律事務所が2017年に設立した、公益財団法人公益推進協会 アディーレ未来創造基金(以下、アディーレ未来創造基金)は、全国の20代〜30代の男女を対象に、多くの学生が利用している「奨学金」に関する調査を実施。

その結果、奨学金による経済的困窮によって3人に1人が夢を諦めている実態が明らかとなったことを発表しました。

 

奨学金制度の成り立ち

経済的な問題から、高校や大学へ就学出来ない学生を支援するために誕生した奨学金制度は、教育の機会を均等に保ち、優れた人材を育成するために存在する教育政策の1つ。

誕生は古く、昭和18年(1943年)と戦時中に創設された財団法人大日本育英会の奨学金事業がはじまり。

無利子の貸与型奨学金としてスタートし、平成29年には返済義務のない「給付型奨学金」が、令和2年からは授業料・入学金の免除または減額と給付型奨学金の大幅拡充を行う「高等教育修学支援新制度」も実施しています。

 

奨学金の返済が負担になってしまう実態が明らかに

本来若者の就学支援のための奨学金。

しかし、返済時には想定を超えた重荷となってしまい、苦しむ方が多い実態が明らかとなりました。

奨学金の返済があることで3人に1人は結婚に前向きになれなかったり、資格取得や転職など一歩の踏み出しに躊躇していると答え、お金があれば(もっと)夢を持てると答えた方は実に77.8%という結果に。

重くのしかかる返済は、若者の夢にも影響を与えているそう。

「奨学金の返済が重荷になってしまっていると感じるか?」という質問に「あてはまる/ややあてはまる」と回答した方は80%に。

「現在の生活が苦しいと感じる」「満足な貯金ができない」「贅沢ができないと感じる」「借りたことを後悔している」というそれぞれの質問にも半数以上が肯定する回答をしており、生活に影響が出ていることが分かりました。

 

奨学金利用者の殆どが貸与型奨学金を利用

全国の20代〜30代の男女8,108人に対して奨学金制度の利用実態を調査したところ、31.9%が「利用した」と回答、おおよそ3人に1人が利用したことがあるそう。

「奨学金を利用していた」と答えた方の中で、返済の義務が生じる貸与型奨学金の利用者は給付型奨学金との併用も含めると86%と大多数で、奨学金制度を利用する人の大部分が返済義務がある太陽型奨学金を利用していることが分かりました。

 

奨学金を「まだ返済中」の人は半数以上

奨学金の用途を複数回答可で聞いたところ、授業料が60.3%と最も多い回答に。

また「生活費」と答えた人は32%、その他に「教材費」「入学金」「ゼミ・研究費」といった回答が続き、様々な用途で利用されている実態が判明。

現在の奨学金の返済状況を聞いたところ、半分以上となる51.5%が現在も返済中と回答。奨学金の総額は100万円〜500万円の割合が殆どで、現在も返済残高が「100万円〜200万円残っている」と回答した方は最も多い28%という結果となりました。

 

奨学金は未来を広げる制度

ここまでの調査で、奨学金に対してネガティブな印象を受けた方もいることでしょう。

しかし、奨学金制度は経済的な理由で進学が難しい家庭の子供に対して資金の貸与・給付を行うことで、高校や大学に通うことが出来る素晴らしい制度。

学ぶことに意欲的でも、学校に通うためにはお金が必ず掛かってしまうもの。奨学金が無ければ「進学を諦めて就職するしかない」という家庭の方も多数存在しているのが実情です。

実際に独立行政法人 日本学生支援機構(JASSO)には、

「奨学金のおかげで4年間勉強する事ができ、就きたい業種で今頑張る事ができています。」
「今の私があるのは奨学金のおかげです。今後も学生への支援、心から応援しております。」
「奨学金のおかげで東京の大学を卒業できました。今も東京で暮らしており、感謝してます。」

といった、奨学金のおかげで進学出来た、希望した就職先に就くことが出来たといった感謝の言葉が多数寄せられているのです。

「将来へ多少の負担を強いることになったとしても進学したい」「将来就きたい職業があるため勉強を頑張りたい」といった意欲がある方は、ぜひ恐れずに奨学金制度を利用しましょう。

現在は返済義務のない給付型奨学金や大学・専門学校の入学金・授業料の減額・免除される制度も出来ているので、ぜひこれらの制度を活用してみてください。

 

貸与型奨学金制度を利用した方にとって、返済は経済的な負担となってしまい「夢を諦めざるを得ない」という方がいる、ということが判明した今回のアンケート調査。

しかし、奨学金は「奨学金によって将来への道が拓けた」という方も多い支援制度です。

アディーレ未来創造基金はこの状況を鑑み、奨学金返済に苦しむ若者の支援となるようなプロジェクトを10月に発足することも告知しているので、もし進学後の現在の生活で奨学金返済が負担となって夢を諦めてしまっているという方は、今後発表予定の本プロジェクトの続報をお待ちください。

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